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野望と成功

【果たして親が離婚すると子は不幸なのか】あの時誰にも相談しなかった両親の離婚について語ろうと思う

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中学二年生の時に両親の離婚を経験をしました。

その時に感じたことや思ったこと、離婚までの経緯を赤裸々に語ろうと思う。

 

 

離婚に至るまでの経緯

僕は両親が互いに笑顔で話している姿を、生れてこのかた見たことがない。物心ついた頃からよく喧嘩する姿を見ていたし、幼いながらに「仲が悪いんだな」と思っていた。父か母と二人でいる時も、父は母の不満をこぼし、母は父の不満をこぼす。これが僕にとっては日常茶飯事だった。

父は昔からカッとなりやすい性格で、気に食わないことがあると大声を張り上げ、暴力を振るう。兄の奥歯が吹っ飛び車内が血だらけになることもあった。事あるごとに自分を正当化し、金遣いも荒かった。母親の辛そうな表情を何度見たことか。そんな父に母は愛想をつかし、とある日僕の目の前で涙ながらに言った。

「離婚して下さい」と。父は特に反対することなく、その後着々と離婚が進み、僕が中学二年生の時に父は実家を出て行った。

しかし、離婚というのは親の問題だけではなく、子に与える影響も大きい。なんだかんだずっと一緒に生活してきた人間がある日を境にいなくなり、部屋もなくなるのだから当然だ。

当時両親には、「親権はどっちにするんだ?」と聞かれ、親権という言葉をそれまで聞いたことすらなく、説明を受けてもいまいち理解出来なかった僕は「どっちでもいいよ。」と答えた。

 

親権(しんけん)とは、成年に達しない監護教育し、その財産を管理するため、その父母に与えられた身分上および財産上の権利義務の総称。未成年の子に対し親権を行う者を親権者という。

                           Wikipediaより

 

母は強制することなく自由に選ぶことを勧めた。当時の僕からしたら、法的な親権なんてものはどうでもよかったのだが、この先母と暮らしていくことだけは決めていた。

 

もちろん、それが結果的に親権に対する答えとなる。

 

離婚後の生活

父が実家を出ていったことにより、新たな家族構成での生活が始まった。

離婚により母の笑顔は増えたように思う。あらゆる悩みや苛立ちから解放されたからだろう。何より父に対する苦言が減ったことが、離婚という選択が正しかったことを物語っていた。

しかし、女手一つで子供を育てるというのは、よく聞く話ではあるけれど、想像以上に大変なものだった。責任感の強い母は本当によく働き、家事もこなした。時期によっては帰宅時間が毎日12時を超えることもあった。子供のために節約し、ビールではなく安い発泡酒を飲む日々。それでも母は、弱音を吐くことはなかった。

 

 

養育費と父

毎月決まった日にちになると、父が実家に養育費を渡しに来る。その養育費を受け取るのは僕の役目だった。

なぜ僕の役目なのか。ここまでの話だと父はまるで極悪人のようだが、実はそうでもない。小学生時代の夏休みには、毎年自由研究を1日かけて手伝ってくれたし、どこかに行きたいとわがままを言えば、忙しくない限り嫌な顔することなく連れて行ってくれた。仕事も休んでいる姿を見たことは一度たりともない。そんな父を僕は決して嫌っていなかった。おそらく母はそのことに気づいていたのだろう。養育費を受け取る日くらいしか父と会うことはなかったが、その日には近況報告やたわいもない話をしたことをよく覚えている。

そんな状況が僕の学生生活が終了する21歳まで続き、就職とともに父と会うことはなくなった。

 

大人になった今思うこと

就職後、間もなくして父から再婚の報告があった。

図太い父ではあったが、このまま一人で老後を迎えることを想像すると、やはりどこか不安になる。「再婚」と聞いて正直ほっとした。

今では毎年誕生日になると、「おめでとう」と一通のメールが届く。そのメールが届くまで、父が誕生日を覚えているなど考えたこともなかった。

母には言っていないが、知ったら拍子抜けすることだろう。

もしかしたら僕が思っているよりずっと、僕の事を見ていてくれたのかもしれない。

そんな父の一面には離婚するまで気づけなかった。

 

「離婚は子供にとって不幸なのか。」と聞かれたら、僕は真っ先に「そんなことはない。」と答える。確かに離婚は金銭的に苦しくなることもあるし、寂しさを与えてしまうことだってあるだろう。しなくて済むならそれにこしたことはない。

だが、親が子供の幸せを願うように、子供も親の幸せを願っている

無理して結婚生活を続けても、子供は幸せだとは限らない。僕自身も母の辛そうな姿は見たくなかったし、母にとって離婚が最善の道なら僕にとっても同じく最善の道だった。

それに離婚は悪いことばかりではない。僕は女手一つで育ててくれた母に対し、世界中の誰よりも尊敬し、感謝している。母のような強い人間になりたいと今でも心の底から思っている。親のあるべき姿のようなものを、まざまざと見せつけられたのだから。

 

そんな僕は、27歳の時に結婚しました。結婚に対する悪いイメージは特にない。

親の離婚を理由に結婚に対して否定的な人がいるが、それは違うと断言する。

上手くいかなかった夫婦を誰よりも近くで見てきたきたのだから、その経験を生かせばいい。

両親に出来なかったこと、足りなかったと思うことを自分達の結婚生活に補っていけたら、きっといい夫婦になれるんじゃないかな。

 

 

 

以上でこの話は終わりです。

離婚で悩んでいる人が少しでも減ったら嬉しい限りです。